前回までで、ThinkPad X60へのWindows10インストールと最新バージョンへのアップデートを無事に完了しました。
前回の記録 → Win10 2004➡20H2アップデート編~X60復活!⑥
今回は、パームレストの熱対策としてインストールしたRigthMark CPU Clock Utility(以下、RMClock)の効果を検証してみました。
RMClockのダウンロードリンク: Download. CPU Rightmark
RMClock導入による発熱抑制の検証
以前の記録(ThinkPad X60を復活させる⑤Windows10インストール編)でも触れましたが、RightMark CPU Clock Utilityは、CPUのクロック、電圧を調節することができるフリーソフトです。
今回は、CPU電圧を少し低めに設定することで、CPUからの発熱を抑えようという作戦です。
ただ、むやみに電圧を下げるとPCがフリーズしたり、落ちたりしますので、どこまで下げれるかは、負荷テスト等で見極める必要があります。
いろいろとテストした結果、現在CPU電圧を1.0500Vまで下げて使用していますが、高負荷を掛けても落ちません。(ノーマルは、1.2375V)
まだ、もう少し下げることもできそうですが、今回はこの電圧で検証を行います。
※CPUの個体差も影響すると思いますので、全てが同じような結果ではないと思います。.
なお、RMClockのダウンロードとインストールは、他のページでも多数紹介されていますので割愛(手抜き)し、RMClockのプロファイル設定から記録します。
設定のポイントは赤枠の箇所の変更です。
これに合わせて、各パフォーマンス毎のプロファイルを変更しています。
その他にも多くの設定項目がありますが、何分、理解が中途半端ですので割愛します(笑)
検証は以下のパターンで行いました。
✓ 『アイドル時』と『動画再生時』
✓ RMClockによるCPU制御『OFF』と『ON』
その他、検証条件として…
・動画再生ソフトはMPC-BEを使用
動画再生支援に Broadcom Crystal HD Video Decorderを使用
・CPUファン制御には、TPFan Contorollerを使用
・動画は、Windows10ゲームバーでキャプチャーしたライブ映像を使用(FHD、30fps、ステレオ)
・検証時の室温は25℃
では、早速ですが、検証結果です。
確実に効果はありました!
RMClockの制御をONにすると、CPU温度、ファン回転数ともに下がっています。
現在は、X60を個人のNAS代わりとして使用してますので、上表②のアイドル状態がほとんどです。
この設定であれば、CPUファンがギリギリ停止状態を維持できるレベルの発熱抑制効果が見られ、個人的には満足です。
ファンの回転音が気にならない環境なら、TPFan Contorollerの設定変更で、さらに温度を下げることができそうです。
参考までに、上表①~④のモニタリング画面を記録しておきます。
非接触型温度計使用による再検証
上記結果の通り、RMClockの導入により確実にCPU温度が下がったため、パームレスト熱対策として効果ありと結論付け、約1か月使用しました。
しかし、パームレストから直接手に伝わる熱に、あまり温度変化がないような気がしましたので、再検証することにしました。
今回は、非接触型の温度計を使用して、直接パームレストの温度を測定しました。
これが使用した温度計です。
コロナウイルスで非接触型の体温計が流行っていますが、これは体温計ではなく、温度計です。
なので、価格も格安でした。
それでも一応2つのモードがあり、「通常測定(32.0~42.5℃)」と「物体測定(5~90℃)」を切り替えることができます。
今回は、「物体測定」モードを使用します。
そして、この温度計を下の写真のように固定し、パームレストの一定の場所を測定できるようにしました。
パームレストと温度計の距離は、約20~25mmです(説明書では、20~30mmを推奨)。
検証パターンは、最初の検証と同じように、以下の組み合わせで行いました。
✓ 『アイドル時』と『動画再生時』
✓ RMClockによるCPU制御『OFF』と『ON』
その他の条件も前回同様ですが、室温のみ1℃上昇しています。
・動画再生ソフトはMPC-BEを使用
動画再生支援に Broadcom Crystal HD Video Decorderを使用
・CPUファン制御には、TPFan Contorollerを使用
・動画は、Windows10ゲームバーでキャプチャーしたライブ映像を使用(FHD、30fps、ステレオ)
・検証時の室温は26℃(前回25℃)
今回の検証を行っている中で、CPU温度の変化に対してパームレストの温度変化は非常に緩やかで、安定するまで相当時間がかかることがわかりました。
よって、パームレスト温度測定は以下の手順で実施しました。
- X60をシャットダウンし、パームレストの温度が30℃以下に低下したことを確認
- X60を起動し、検証条件を設定してから約1時間後にパームレストの温度を測定
それでは、測定結果です。
CPU温度については、前回とほぼ同様の結果で、RMClockによる効果がはっきり出ています。
しかし、パームレストの温度については、ほとんど差がありません。
表では、RMClock ONの方が0.2~0.3℃低くなっていますが、ファンのON/OFFや動画の負荷状態等により、それぞれ±0.1~0.2℃程度の動きがあります(動きはとても緩やかですが・・・)。
よって、私個人の結論としては、「効果はあるが、体感できるかは微妙なレベル」となりました。
ただ、③動画再生、RMClock:OFFの検証の際、急にCPU温度が低下したので確認すると、どうもCPUのサーマルスロットリングが働いたようで、クロックが半分程度に落ちていました。
よって、CPUを始めとする内部部品の保護を考えると、X60にRMClockは必須ではないかと思いました。
逆にRMClockをONにしているデメリットは特に感じませんので、やはり私はRMClockを使用します!
以上、あくまで素人の検証記録ですので、大雑把なイメージとして結果を見ていただければ幸いです。
ありがとうございました!
↓ 続きは、こちらです ↓
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