ThrottleStopでX270のバッテリー持続時間を延ばす

ThinkPad X270
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はじめに

最近、X270のバッテリーの持ちが悪くなってきたような気がする・・・
Lenovo Vantageでバッテリーリフレッシュしても、あまり変わらない。
ただ、新たにバッテリーを購入するほど消耗している訳ではなく、サイクルカウントを見ても大した数値ではない。

いろいろ考えていると、以前、X60の熱対策のため、RMClockを使ってCPU電圧を下げたことで、結果的に消費電力も下げることができたことを思い出した。
ならばX270にもRMClockを!と試してみたが・・・、まともに動作しない。
調べてみると、RMClockは「Core i」のCPUには対応していないようだ

そこで今回は「ThrottleStop」と言うソフトを使用してX270のCPU電圧設定を下げると、どの程度バッテリー持続時間が延びるか試してみた。

ThrottleStop設定

ThrottleStopと言えば、(個人的には)オーバークロックのイメージがあるが、今回はオーバークロックでもダウンクロックでもなく、CPUコア電圧のマイナスオフセットのみを設定した。

先ずは、ThrottleStop 9.4をダウンロード後、解凍して起動。
   techpowerup.com:ThrottleStop Download

『FIVR』ボタンをクリックして「Turbo FIVR Control」画面を開く。

ThrottleStop9.4 メイン画面

「FIVR Control」の『CPU Core』を選択(●)し、「CPU Core Voltage」の『Unlock Adjustable Voltage』をチェック(✓)。
「Offset Voltage」をマイナス側へスライドさせ、オフセット電圧を設定する。

CPU Core Voltage オフセット設定

当たり前だが、下げすぎるとフリーズしたり落ちたりするので、prime95やCPUStres等、意図的にCPUにストレスを与えるソフトを使用してCPU個体の最適値を(勝手に)決定する。

ちなみにMy X270では、-99.6~-114.3mVであれば、問題なさそうでした。

次に 「FIVR Control」の『CPU Cache』を選択(●)し、「CPU Cache Voltage」の『Unlock Adjustable Voltage』をチェック(✓)。
「Offset Voltage」をマイナス側へスライドさせ、「CPU Core Voltage」で設定したオフセット電圧と同じ数値を設定する。

CPU Cache Voltage オフセット設定

「OK-Save voltages immediately」を選択(●)し、『Apply』をクリック。
右上の表に設定した数値が表示されれば完了!

オフセット値の確認
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BBenchテスト結果

テストは、BBench(バッテリベンチマーク)V1.01を使用。

BBench V1.01 メイン画面

「キーストローク出力」、「Web巡回」ともにチェック(✓)。
Web巡回間隔のみ60秒→180秒に変更し、その他はすべてデフォルトのまま。

BBench設定

Windows10の「バッテリー設定」は、バッテリー節約機能オフ(残20%でオン)。
画面輝度は最大とし、バッテリー残量5%で自動的にシャットダウンするまでを計測した。
ただし、実質的に使用できる時間として、残量10%になるまでの時間で比較することとする。

なお、測定時間短縮のため、2ndバッテリーを取り外し、プライマリー(内蔵)バッテリーのみで計測を行った。

そして結果がこちらです。

BBench結果グラフ

さすがに劇的には延びませんが、CPU性能を下げることなく、バッテリーの持ちが良くなるならOKでしょう!
あとはPC起動時に自動起動するよう設定しておけば、使用する価値はあるように思いました!

なお、ThrottleStop起動時にはユーザーアカウント制御が入るので、自動起動させる場合はスタートアップフォルダではなく、タスクスケジューラを使用して管理者権限で起動するよう設定するとスマートです。

CPU Power Limit(おまけ)

今回、ThrottleStopに設定するオフセット値の安定性を確認するため、いくつかのストレステストを行いましたが、CINEBENCH(R15)計測中のCPU動作状態をHWiNFOでモニタリングしていたところ、CPU Core電圧Normal時のベンチ途中でCPU Power Limitが作動(Core i5-6300UのTDP15Wオーバー)し、一時的にクロックダウンしていることに気付きました。

CPU Package Power[W]とCore VIDs[V]、Core Clock[MHz]をそれぞれグラフ化すると下のようになり、リミッターが作動するとグラフが暴れ出します。

CPU Package Power グラフ
CPU Core VIDs(avg) グラフ
CPU Core Clocks(avg) グラフ

気になったので、その後数回試してみましたが、Normal時には必ずPower Limitが作動しました。
ただ、これによってCINEBENCHのスコア低下を招いたかどうか?は微妙で、今回のテストでは通常の誤差?程度のバラツキしか見られませんでした。

一方、オフセット-99.6mV時のCPU Powerは13W前後とLimit値から余裕があり、安定しています。
クロックダウンはしていないので、CINEBENCHの結果もNormalのスコアと変わりません。

この結果を見ると、なんだか適度にマイナスオフセットする方がトータル的にメリットがあるように感じました(個人の見解です)。

ちなみに、ThrottleStopにはCPU Power Limitの設定を変更する機能もあります。
メイン画面の『TPL』ボタンをクリックして表示される画面(Turbo Power Limits)の「Long Power PL1」がその設定です。
この設定値を少し上げるだけでベンチ結果が10%以上向上したとの記事も見たことがありますので、ベンチマークにこだわる人は先ずここを触るのでしょうが、私は触ったことがありませんので、説明はできません・・・
また、ヒマな時にでも確認してみます!

Power Limit Control設定画面

今回は以上です!

最後に、このようなソフトを使用する場合は、くれぐれも自己責任で!

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