ThinkPad BIOSに「Advanced」を表示させる方法

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別ページでThinkPad T440,X240,X270のBIOSに「Advanced」Menuを表示させた記事を記録しましたが、今回はその改造方法を記録します。

本改造方法は、T440,X240,X270の3機種で実際に私が行った方法ですが、これが100%正しい方法かどうか?はわかりません。
また、本改造方法の対象機種は、xx40,xx60,xx70,xx80ですが、上記3機種以外は試していませんので、悪しからず。

なお、改造にはROMライターによるBIOSの読み取り/書き込みが必要になりますが、本ページでは読み取ったBIOSデータを改造(編集)する方法のみ記録します。
基本的なBIOSの読み取り/書き込み方法については、別ページに記録していますので、そちらを参照ください。

ThinkPad BIOS改造の基本(全5話)
【第1話&第2話】ThinkPad BIOS改造に使用するツールはコレだ!
↑ まずは、こちらから ↑
※「BIOS読み出し/書き込み用のツール類について」と「CH341A ROMライターのセットアップ方法」の統合ページ
【第3話】8ピンクリップでBIOSに接続!BIOSチップの場所と挟み方
【第4話】ROMライターでThinkPad BIOSデータを読み出す
【第5話】ThinkPad BIOSデータの書き込み方法(CH341A使用)

本改造では、事前にBIOSのセキュリティー関係の設定を『無効』にします。
また、改造後もセキュリティー関係のBIOS設定が意図した通り動作しない現象が発生します。
よって、セキュリティー設定を要求するWindows11をインストールする場合には、何らかの不具合が生じる可能性がありますので、ご注意ください。
もし不具合が発生し、元に戻したい場合は、事前にバックアップしたオリジナルBIOSに書き戻すことで元に戻せますので、オリジナルBIOSは大切に保存しておきましょう。
いずれにしても、
改造は自己責任でお願いします!

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BIOS設定の変更

最初にBIOSのセキュリティー関係の設定を『無効(Disabled)』にします。

無効にする項目は、「Security Chip」、「Anti-Theft(Computrace)」、「Secure Boot」です。
もしかすると、無効化が絶対条件ではない項目もあるかもしれませんが、私は上記をすべて無効にしました。

下の写真は、X270のBIOS画面です。

X270 BIOS Security 画面

なお、機種によってBIOSの設定項目が微妙に異なっていますので、名称が異なったり、存在しない項目があるかもしれません。

BIOS セキュリティー関係の設定方法については、以下記事にて内容をアップデートしていますので、併せてご確認ください
 リンク : ThinkPad X240 内蔵無線LANをWi-Fi 6に交換

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BIOSデータの改造

それでは、本題のBIOSデータの改造です。
いくつか方法がありますが、ここではパッチファイルを使用する方法を記録します。

オリジナルのBIOSデータはROMライターを使用して読み取り済みであることを前提に記録します。

UEFIPatch の適用

まず、以下リンクより2つのファイルをダウンロードします。

GitHubのUEFIToolのページ からUEFIPatch.exeをダウンロード
  ダウンロードするファイル名は、「UEFIPatch_0.28.0_win32.zip」

Custom BIOS – ThinkWiKi のサイトからパッチファイルをダウンロード
 パッチファイルは機種に合ったものをダウンロードしてください。
  パッチファイル リンク → 下の「」マークのボックスを参照
 X270の場合は、「xx80_patches_V6.txt」です。

2022/4現在、上の「パッチファイル リンク」のリンク先ページがなくなっているようですので、代わりのリンク先を記録しておきます。
上のリンク先とは、まったく異なるページですが、下の「BIOSデータ編集」方法も含め、内容は網羅されています(ファイルもアップデートされているようです)。
↓ 代わりのリンク先 ↓
GitHub – digmorepaka/thinkpad-firmware-patches: Collection of ThinkPad UEFI patches.

次にダウンロードしたファイル(ZIPは解凍して)とオリジナルBIOSを同じフォルダに保存します。
以下の例では、D:¥(Dドライブのルート)に保存しています。

保存できたら、Windows PowerShellを管理者権限で実行し、次のように入力します。
ここで「1.bin」は、オリジナルBIOSです。

 d: [Enter] ← カレントドライブをDドライブに移動
 ./uefipatch.exe 1.bin xx80_patches_V6.txt [Enter] ← パッチの実行

成功すると「1.BIN.patched」が生成されます。
ファイルの大きさがオリジナルと同じになっているか?確認してください。

UEFIPatch 実行
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BIOSデータ編集

次にUEFIPatchで生成したファイルを編集します。

編集内容は機種ごとに異なりますので、Custom BIOS – ThinkWiKi の「Hardware Flashing (xx30 and up)」項にある表の「Author」列のリンクから確認してください。
X270の場合は、以下のように記載されています。

Step Five:
Open your Hex editor and replace 4C 4E 56 42 42 53 45 43 FB with 4C 4E 56 42 42 53 45 43 FF on the previously patched bios.

出典:BIOS Mods: Skylake (リンク切れ)

まず、バイナリーエディターを使用して、生成した「1.BIN.patched」を開きます。
以下の例では、フリーソフトの「HxD」を使用しています。

X270の場合、検索機能で「4C 4E 56 42 42 53 45 43 FB」の16進文字列を探します。

HxD 文字列検索①
クリックで拡大
HxD 文字列検索②
クリックで拡大

ヒットしたら、最後の「FB」を「FF」に変更します。
(4C 4E 56 42 42 53 45 43 FB → 4C 4E 56 42 42 53 45 43 FF
HxDの場合、変更した箇所が赤色フォントで表示されます。

Hxd FB→FFへ変更

変更後、名前を付けてファイルを保存します。
拡張子は何でもOKですが、バイナリーデータなので「*.BIN」がわかりやすいと思います。

以上でBIOSデータの改造は完了です。
あとは、このファイルをBIOSに書き込めば、「Advanced」Menu が表示されるはずです。
書き込み方法については、別ページを参照ください。

Advanced画面

最後に・・・

BIOSの改造には高いリスクが伴いますので、自己の責任において、くれぐれも慎重に作業を行ってください。
特にオリジナルのBIOSファイルはBIOSを元に戻す際に必要になりますので、削除せず保存しておくことをおススメします。
   

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