今回も他人所有のX240の修理記録です。
最近は、よそのマシンを修理する機会が増え、まるでサポートセンターか修理屋さんのようになっています。
おかけでブログを更新する時間もネタもありません・・・
個人的には、あまり修理ネタは増やしたくないのですが、今回の修理では今後のために残しておきたい内容があったので、備忘録を兼ねて記録しておきます。
不具合状況の確認
症状は、「電源を入れても、すぐに電源が落ちる」というものです。
実際に試してみると、まず、ACアダプターを差し込んだ時、普通は電源ランプ(緑LED)が3回点滅しますが、このX240は4回点滅します。
そして、電源ボタンをONすると、以下のような状況でした。
- 電源ランプ(緑LED)が4回点滅した後、ランプが消える
- 電源ボタンを押した直後、「Fn」キーの緑LED、「F1」と「F4」のオレンジLEDが一瞬点灯する(これは普通の動作)
- 液晶画面は何の反応もしていない(ように見える)
- CPUファンは電源ON直後に一瞬回っているが、電源ランプ消灯後止まる
念のためACアダプターを安定化電源に取り替えて確認すると、電源ONで一瞬だけ電流値が上がりますが、すぐに0アンペアになり、電源が落ちていることがわかります。
ちなみに以前、BIOSの書き換えで復旧できたX260は、電源は落ちることなく、電源ランプが点灯したままダンマリ状態でした。
リンク : 通電するが起動しない!ジャンク X260を修理した記録
ということは、これは単にBIOSデータの破損ではなく、何かシステムボード上の部品が壊れているのかもしれません。
もし、そうだとしたら、私にはムリかも・・・
先ずはBIOS書き換え・・・で復旧!?
原因はシステムボードかもしれない・・・と思いつつも、システムボードを取り外す前にとりあえずBIOSの書き換えを試してみることにしました。
まずは、CPU横の黒いフィルムを剥がしてBIOSに接続。
いつもの通り、最初にオリジナルのBIOSを読み出してバックアップファイルとして保存します。
たとえ壊れているBIOSデータであっても、復旧の際に役立つ情報が残っている可能性が高いので、このバックアップはとても重要です。
バックアップが終わったら、次に手持ちのX240のBIOSデータを適当にみつくろって、フラッシュします。
「適当に」と書きましたが、一応、ME(Intel Management Engine)問題回避のため、「ME Clean」という前処理をしたBIOSデータを選びました。
また、MACアドレスはバイナリエディタを使って、オリジナルのアドレスに変更しておきました。
フラッシュが完了したら、早速電源ONで状況確認ですが、その前にACアダプターを接続します。
で、コネクター差し込んだ途端、勝手に電源が入り・・・、なんと、立ち上がってしまいました!
もちろん、BIOSにも入れます。
復旧したようです!
ラッキー!!!
Windowsのデジタルライセンスデータ
BIOS書き換えで無事復旧!!で、問題は解決したと思っていましたが、Windows10を再インストールすると、新たな問題が発生しました。
Windows Update完了後、設定画面を開けると画面下部に「Windowsがライセンス認証されていません。今すぐWindowsをライセンス認証してください。」と表示されています???
最近、自分が取り扱ったThinkPadは、すべてデジタルライセンスで勝手に認証されていたので、初めて見るメッセージだ。
しかし、BIOS画面には、「Preinstalled OS Licence」が表示されており、このX240がデジタルライセンス非対応の個体だとは考えにくい。
とすると、BIOSを書き換えたことが何か影響しているのだろう・・・
で、さらに他のBIOSデータに書き換えてWindows10を再インストール!を繰り返してみた結果、やはりWindowsのプロダクトキーがBIOSに書き込まれていることを再認識しました。
しかも、その文字列は「xxxxx-xxxxx-xxxxx-xxxxx-xxxxx」の配列で、個体ごとに個別のキーが書き込まれているようです。
※すべてが個別かどうかは断言できませんが、私が確認したBIOSデータは全て異なる文字の組み合わせでした。
そして、事前にバックアップしておいたオリジナルBIOSデータをバイナリエディタで確認してみると・・・
無事残っていました!「xxxxx-xxxxx-xxxxx-xxxxx-xxxxx」
早速、このオリジナルのプロダクトキーを書き換えに使用したBIOSデータに上書きでコピペして、再度フラッシュ!
その後、Windows10を再インストールすると、今度はいつも通り、「Windowsはデジタルライセンスによってライセンス認証されています」と表示され、無事解決しました!
それにしても、今まで何度か他のマシンのBIOSを使用して書き換えしてきたが、このような現象は今回が初めてだ。
しかも、他のマシンのプロダクトキーを入れたまま、放置しているマシンもある・・・
まぁ、すでに書き換え済のマシンについては、(問題なければ)そのまま放置するとして、今後の書き換えの際にはMACアドレスと併せてプロダクトキーもオリジナルに戻すように気を付けよう。
まとめ
今回の症状を最初に見た時は、システムボード部品の物理的な不具合かと思いましたが、BIOS書き換えだけで復旧してラッキーでした。
このような症状の際、BIOSデータ破損が原因の可能性もあるということが、今後の参考になると考え、記録に残しておきます。
また、Windowsのライセンスキーについても、あまり気にしていなかったことを再認識することができました。
今まで、MACアドレスについては、各マシンオリジナルのアドレスに都度書き換えていましたが、今後はライセンスキーも忘れず、書き直すようにします!
以上、備忘録でした。
↓ 別個体のX240修理記録です ↓
ThinkPad X240の画面が映らない!?ヒューズ交換で修理
コメント
> まぁ、すでに書き換え済のマシンについては、(問題なければ)そのまま放置するとして、今後の書き換えの際にはMACアドレスと併せてプロダクトキーもオリジナルに戻すように気を付けよう。
UUIDもオリジナルに戻すようにした方が良いです。
理由は、OSのデジタルライセンスがUUIDと紐づけされてるからです。
X60ユーザーさん
コメントありがとうございます!
Windowsプロダクトキーは、本文に記載の通り、オリジナルに書き戻しました。
また、UUIDについては、X240以降はBIOSではなく、EEPROM(X240はMEC1633L)に書き込まれているようですので、BIOSデータを他から移植しても大丈夫そうです(オリジナルを保持しています)。
あと、Machine Type ModelやSystem-unit serial number、System board serial numberもBIOSではなくEEPROMのようですね。
また何かお気づきの点がありましたらコメントください。