今回は、前回記録の「iPhoneアプリ Lenovo PC Diagnosticsで故障診断」に登場したThinkPad X13 Gen1 の修理記録です。
このX13は、2022年の正月にジャンク品として購入したもので、ジャンク理由は・・・
「メロディー音が鳴って起動しない」
よって、この時点では、何のエラーなのか?不明でした。
ちなみに、購入価格は約2万円で、起動しないジャンクにしてはかなりの値段でしたが、CPUが10世代目のCore i7と新しい機種だったので、正月ということもあり、福袋か宝くじを買うつもりで思い切りました!
※ただし、i7が搭載されているという保証はなく、i7のシールが貼ってあるマシンということでした。
ThinkPad X13 Gen1(ジャンク)
改めてマシンの紹介です。
このジャンクX13を購入する時点では、CPUがCore i7(シールだけで保証はない)で、SSDが抜き取られているということ以外、スペックはわかりませんでした。
が・・・、以下のとおり、実はかなりのプレミアム仕様でした。
- Type 20T2CTO1WW
- Intel Core i7-10510U 1.8GHz
- Memory 32GB
- SSD なし
- 13.3インチ FHD液晶 (1920 x 1080、IPS) 、非光沢、マルチタッチパネル
CPUは予定通りでしたが、メモリ32GBとLCDのタッチパネルは、うれしい誤算でした!
状態確認(購入直後)
まずは、ボトムカバーを開けて内部確認です。
やはりSSDは抜き取られていますが、全体的に荒らされた?ような形跡はありません。
バッテリーが残っていたのは良かったです!
WWANカードが挿さるスロットも空ですが、アンテナ線の端末が絶縁処理されていないので、元は挿さっていたと思われます。
と、一通り確認したところで、ボトムカバーを元に戻して、電源ON!
電源ランプが点灯し、CPUファンが回って、キーボードライトも点灯。
が・・・画面は真っ黒のまま。
待つこと十数秒後にメロディーが流れました。
で、このメロディーを「Lenovo PC Diagnostics」に入力すると・・・
コード:0288、「コンピューター・ディスプレイ・エラー」と表示されました。
LCDパネル系統のエラーのようです。
表示されたアクションとしては、まず、ディスプレイケーブルを接続し直し、次はシステムボード交換とのことです。
↓ この辺の詳細は、以下リンクでどうぞ! ↓
iPhoneアプリ Lenovo PC Diagnosticsで故障診断
外部モニターに接続して確認
上記の通り、メロディーが鳴って画面表示はされませんが、通電(電源ランプ点灯)はしており、キーボードライトも点灯するので、試しにHDMI端子から外部モニターに接続して確認してみました。
すると・・・Lenovoロゴが表示され、フツーに起動し始めました!
そしてBIOS画面に入ると、CPUが Core i7-10510U、メモリ32GB と表示されています!
さらに、いろいろと触って確認していると、どうもこのLCDパネルはタッチパネル仕様であることが判明。
これは絶対に修理するぞ!とモチベーションが急上昇しました!
ディスプレイケーブルの確認
「Lenovo PC Diagnostics」の解決策に表示された通り、まずはディスプレイケーブルの抜き挿しをやってみました。
念のため、端子に接点復活剤を吹いて接続し直してみましたが、結果はNG。
例のメロディーが鳴って、画面は真っ黒のままです。
もしかしたら、ケーブルが断線しているかも・・・?と考え、代わりのケーブルを探しましたが、このX13に合うケーブルは手持ちにはなく、仕方ないので購入することにしました。
値段は約2,000円でした。
そして、待つこと約2週間。
ようやくケーブルが届きました!
タッチパネル用のケーブルで、X390と共通のようです。
ラベルには、以下のとおり印刷されています。
FX390_EDP_TOUCH CABLE DC02C00DU10
早速、ディスプレイケーブルを交換!
しかし、またもや結果はNG。
残念・・・
システムボード確認
次の対応として、LCDパネル自体を交換してみる手もありましたが、もちろん手持ちにはありません。
購入するにしても、タッチパネル仕様のものは、そこそこいい値段なので、先にシステムボードのLCDパネル系統を調べてみることにしました(ケーブル買う前に調べろっ!)。
X13のシステムボードを取り外す際の注意点として、先にキーボードと繋がっているリボンケーブルをシステムボードから取り外す必要があります。
こんなふうに、表側?からキーボードを取り外して、ケーブルを抜いておかないと、システムボードが外せません。
ちなみにこの画像はX13ではなく、同じ構造となっているX390のものです。
X13の写真は撮り忘れました・・・
キーボードを取り外したら、裏返してボトムカバーを開き、システムボードを取り外します。
CPUクーラーを取り付けたままでも外れました。
システムボード裏側です。
先に取り外しておいたキーボードのコネクターはココです。
いつも剥がすのに苦労する黒いフィルムは、システムボードの表裏ともにありませんでしたが、代わりにケース側に黒いフィルムが貼られていました。
システムボードの型番は「NM-C891」です。
回路図をネットで探しましたが、残念ながら見つけることができなかったので、他機種で参考になる回路図はないか?と探したところ、T490s/X390のボード「NM-B891」がよく似ていたので、それを参考にしました。
40ピンのLCDコネクターです。
そして、ちょうどこのコネクターの裏側あたりにLCDパネル系統のコンデンサーやらヒューズが貼り付いています。
ここをテスターで調べたところ、「F5102」、「F5103」、「F5104」の3つのヒューズが飛んでいました!
これらは3つともLCDコネクター行きの電源系統のヒューズです。
しかし、3つとも飛んでしまうというのは、一体どんな状況だったのだろうか・・・???
と、少し危険な臭いがしましたが、とりあえずヒューズ交換です。
またしても、Panasonic製の極小「1005」サイズ(1.0mm×0.5mm、インチ表記で「0402」)で、「P」と印刷されているのが定格3.0Aで「F」が定格0.5Aです。
同じPanasonic製のヒューズが手持ちにあったので、早速交換!と思いましたが、そもそも何故こんなことになったのか?原因がわかりません。
ヒューズ交換して電源ONした途端、またヒューズ切れ!の可能性もあります。
で、思い出したのが、以前X240修理の際にAmazonで購入したリセッタブルヒューズ(定格3.0A)です。
これがまだ残っていたので、3.0A×2個についてはリセッタブルヒューズに交換して様子見。
0.5Aについては、(リセッタブルヒューズの手持ちがないので)同じPanasonic製に交換することにしました。
リンク:ThinkPad X240の画面が映らない!?ヒューズ交換で修理
ヒューズ交換して動作確認
いきなりですが、ヒューズ交換後の画像です。
X240の時は、まともな道具がなくて苦労しましたが、道具を揃えれば、素人でもそれなりにできます。
「それなりに」ですが・・・
取り外したヒューズも記念撮影。
見た目では、飛んでいるかどうか?わかりませんが、3つとも導通なしです。
ヒューズ交換後、ボードが冷えたら早速LCDパネルを接続して確認です。
仮組みして、ACアダプターを接続すると・・・
画面表示されました!
ヤッター!!
しばらく電源ONした状態でBIOSの設定を確認したり、Lenovo Diagnostics(F10で起動するやつ)で各所を診断したりしましたが、特に異常はありません。
タッチパネルも認識されています。
ということで、とりあえず 修理完了!
このまま元どおりに組み付けて、もうしばらく様子を見ることにします。
まとめ
今回のジャンクX13の修理では、iPhoneアプリ「Lenovo PC Diagnostics」での診断結果を参考にすることで、あまり遠回りせずに故障個所を発見することができ、とてもラッキーでした。
それにしても、ヒューズが3つとも飛んでいたのは、ホントびっくりでした。
一体何が起こったのだろうか・・・?
そもそもの原因は?
一応、ディスプレイ・エラーは解消できましたが、ジャンクX260を修理した時のように、また次の問題が発生する可能性もあるので、まだ安心するのはやめておきます。
次はSSDを取り付けて、Windowsのインストールです。
もう何も起こらないことを祈ります!
↓ X13のつづき ~ Crucial P5 1TBを取り付け ↓
ThinkPad X13にCrucial P5 SSDを取り付け!
↓ X13 タッチパネルが反応しない・・・ ↓
ThinkPad X13 タッチパネル不調で新品LCDパネルに交換
↓ X250もヒューズ切れ! ↓
また来た!画面表示しないThinkPad X250を修理した記録
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