シャットダウンしても電源ランプが消えない!?ThinkPad修理記録

ページのアイキャッチ画像 ThinkPad X1 Carbon 6th
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今回は、よその家のThinkPad X1 Carbon 6thで発生した不具合の修理記録です。

以前記録したX260のACアダプター問題の修理記録と同様、こんな状況に遭遇するのはレアケースだと思いますが、今回不具合が発生した回路は、ほとんどのThinkPadで共通のようなので、備忘録を兼ねて記録しておきます。

 リンク:ThinkPad X260のACアダプター認識不良を修理した記録

不具合の症状

まず、電源ボタンを押してマシンを起動すると何の問題もなく、Windowsが立ち上がります。
Windows自体の動作にも不具合は見受けられません。

しかし、「スタート」→「電源」→「シャットダウン」でWindowsをシャットダウンしても電源ボタンの白LEDランプ(と、天板ThinkPadロゴ部の赤LEDランプ)が点滅状態から、いつまで待っても消灯しません。

X1 Carbon 6th 電源LED

ただ、LCD画面表示は消え、CPUファンも停止しているので、システムとしては?、すでにシャットダウンしているように見えます。

つまり、システムは(ほぼ)シャットダウン完了しているのですが、LEDランプを消灯させるシーケンスが最後まで完了せず、中途半端な状態で止まってしまっているようです(たぶん)。

いつまで待っても消灯しないので、強制OFFするため電源ボタンを(少し長めに)押して離すと、画面にLenovoのロゴが表示されて、またWindowsが起動し始めます・・・

X1 Carbon 6th 起動画面

そしてWindows起動後、再度シャットダウンすると、またLEDが点滅状態に・・・
永遠にこの繰り返しで、LEDが消灯しません。

最後の手段として、ACアダプターを抜いた状態で、BIOSから「Disable Built-in Battery」を実行すると、なんとかLEDを消灯させることができますが、そんなことを毎回実行するのは、とても面倒です・・・

ちなみに、BIOS設定やWindows上の設定も確認してみましたが、この不具合と関係ありそうな問題は見受けられませんでした。

これはシステムボード上の何かが壊れている?かもしれない・・・

状況の整理

上記の通り、基本的な症状としては、Windowsシャットダウン後にLEDランプが点滅状態から消灯しないという状況ですが、原因追及のため、さらに色々なパターンで状況を確認して整理してみました。

結果は下表の通りで、ACアダプター接続状態では、LEDランプが点滅または点灯状態で止まってしまいます。
一方、内蔵バッテリーを外した状態であれば、フツー通りにLEDランプが消灯し、シャットダウンが完了しますが、そんな使い方はあり得ません。

X1 Carbon 6th 不具合状況まとめ
       〇:接続 ×:未接続

これらの状況を踏まえ、回路図とにらめっこした結果、怪しそうな箇所をいくつか見つけたので、マシンを分解してシステムボードをチェックすることにしました。

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怪しい部品を交換!

システムボードを取り出し、怪しそうな箇所をいろいろ確認した結果、どうもThinkEngineチップへ「-SHOUTDOWN」信号を送る系統にあるトランジスタ(Q141)が正常に動作していないように感じました。

具体的には、Q141の左側(ベース)から入力されている「BPWRG」がOFFすることで上側(コレクタ)の「-SHOUTDOWN」信号がON(OFF?)するのが正しい動作ですが(たぶん)、Q141にテスターを当てて電源ボタンを押すと「BPWRG」の電圧は約3V→0Vと変化しますが、「-SHOUTDOWN」側は無反応です。

X1 Carbon 6th Q141 周辺回路図面

もちろん、これが真犯人なのか?まだ確信は持てませんが、とりあえず、これを正常な部品に交換してみるしか私には確認方法が思いつきません。

ということで、X1 Carbon 5thのTPMチップ交換の時と同様、壊れた6thのシステムボードから同じ部品を取り外して移植することにしました。

壊れたX1 Carbon 6th システムボード 外観

 TPMチップ交換 → X1 Carbon 5th エラー0284(TCG機能関連)修理記録

 壊れた6thシスボ → 通電不可のX1Carbon Gen6→CPU割れで修理断念…

Q141はシステムボード裏側、ThinkEngineの横に実装されています。

修理中 X1 Carbon 6th システムボード Q141実装位置

拡大します!

X1 Carbon 6th Q141 実装位置 拡大

さらに拡大!!
下の画像はすでに移植交換後のQ141です。
交換前~交換作業中は撮影忘れました。
で、結果は・・・

X1 Carbon 6th Q141 マイクロスコープ画像


見事に直りました!!

うれしーーー

まとめ

冒頭でも記載した通り、今回の不具合症状は、かなりレアケースだと思いましたので、修理中は記事にするつもりはありませんでした(よって、画像が少ない)。

しかし、修理後に他機種の図面を確認してみると、今回の不具合発生箇所は、ほとんどのThinkPadで共通の回路であることに気付いたので、もしかしたら誰かの参考になるかも?との思いで記事にしました(まぁ、ほぼ備忘録ですが・・・)。

参考情報として、私が確認したところ、以下の機種で同じ回路が採用されていましたので、IntelのCPUを搭載したThinkPadはすべてこの回路なのかもしれません。
しかも、大半が「Q141」と記号まで同じです(トランジスタのメーカー・型番は機種によって何種類かあるようです)。

Xシリーズ
X230(Q130)、X240(Q141)、X250(Q141)、X260(Q8)、X270(Q8)、X390(Q8601)X13 Gen1(Q8601)

Tシリーズ
T440/T440s/T440p(Q141)、T450s(Q141)、T460s(Q141)、T480s(Q17)

X1 Carbon
X1 Carbon 1st(Q130)、2nd(Q141)、3rd(Q141)、4th(Q5908)、5th(Q141)、6th(Q141)

ちなみに、AMD CPU搭載機は回路が違うようです。

まとめがダラダラと長くなりましたが、今回は以上です。
この記録がいつか誰かの役に立てば幸いです。
まぁ、ないでしょうけど・・・(笑)

本記事は素人の修理記録です。事実と異なっていたり、間違った解釈をしている可能性も多分にありますので、ご注意ください

   

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