今回はAGIのPCIe Gen3 x4 NVMe SSD 「AI218」512GBの試用記録です。
AGIのHPによるとGen3 x4のNVMe SSDには3種類あり、今回試用したDRAMキャッシュ付きのAI218が最も高速な仕様のようです。
実はこのSSD、国内のネットショッピングで2月下旬に注文したのですが、メーカー出荷遅れにより、届いたのはなんと6月中旬・・・
どうも供給が不安定なようで、以後、このSSDはほとんど見かけなくなってしまいました。
注文時の価格は4,480円(さらにクーポン割引、ポイント還元等を含めると実質3,200円ぐらい)と、格安だったので、ポチッてみましたが、届いたSSDを確認してみると・・・特にThinkPadなどのノートパソコンでは物理的に取り付けできないといった事態になることが多そうな、チョット困ったSSDでした。
AGI AI218 512GB パッケージ確認
まずは外箱から見ていきます。
基本的なデザインは、先日記事にしたAGI AI238 256GB(2.5インチ SATA)と同じです。

裏面についても上段の製品仕様以外はほとんど2.5インチ SATA版と同じで、緑色を基調にしたデザインになっています。
右下の白いシールに製品の型番(AGI512GIMAI218)とシリアルナンバーが印刷されています。
2.5インチ SATA版は、ここのシリアルナンバーとSSD本体ラベル、SSD内部の3点が一致していて驚きましたが、今回はどうでしょうか?
AGIは台湾の会社ですが、「MADE IN CHINA」です。

封印シールを切って開封しました。
SSD本体+読まない紙の構成も2.5インチ SATA版と同じです。
ネジは同梱されていません。

SSD本体は帯電防止袋に入っています。
袋に開封用の切り込みがありますが、反対側は熱シールされておらず、端が折られているだけです。
この仕様もまた2.5インチ SATA版と同じですね。

SSD本体外観です。
表面のAGIロゴが印刷されたラベルは、冷却を考慮したような少し厚みのある材質です。
銅板(箔)らしきものは見えないので、サーマルシートのような感じでしょうか?
そして、裏面にもラベルが貼ってあり、ここに型番やシリアルナンバーが印字されています。
シリアルナンバーは外箱のシールと一致していました!

横から見ると・・・なんと両面実装タイプでした!
裏面にNANDチップが2枚貼り付いています。

さらによく見ると、M.2端子側に大き目のチップコンデンサーが実装されています。
これでは、いつものThinkPad X1 Carbon 6thへの取り付けはムリかもしれません。
これは困った・・・

しかし、後戻りはできないので、とりあえず表面のラベルを剥がしました。
コントローラーにはカニさんマークがあります。
しっかり、DRAMも実装されています。

向きを変えて、文字が見えるように光源の位置を調整しました。
他のSSDと比べて大きめのチップコンデンサーが多い印象です(個人の感覚です)。

コントローラーとDRAMの拡大です。
コントローラーはRealtekの「RTS5762」でした。
私は初見ですが、ADATAのXPG SX8100にも搭載されている、なかなか優秀なコントローラーのようです。
DRAMはNANYA製で「NT5CC128M16JR-EK」と刻印されています。
ネットで調べてみたところ、DDR3Lの容量2Gbらしいです。
SX8100(512GB)のDRAM容量は(たぶん)1Gbなので、倍の容量を積んでいます!

NANDの拡大です。
刻印は「BPN08TE1B1HE3B」です。
過去データには類似する文字列は見当たりません。

裏側のラベルを片方だけ剥がしました。
こちらにもわりと大きめのチップコンデンサーがあります。
左側のラベルの下は表面のNANDと同じものが2枚です(表裏合計で4枚)。
こちらのラベル剥がしは割愛します。

AGI AI218 512GB 動作確認
「動作確認はいつもの・・・」と行きたいところですが、やはりX1 Carbon 6thには物理的に取り付けできませんでした。
M.2ソケットに挿すと、根元のチップコンデンサーがシステムボードに当たってしまいます。
この時点で既にソケットが浮き上がり始めており、ハンダが外れそうです。
(このシステムボードはマシンから取り外したものではなく、手持ちのジャンクなシステムボードで確認しています)

という訳でピンチヒッターはThinkPad E595です。
これなら、なんとか取り付けできました!
写真撮影後に純正のヒートシンクを取り付けています(ラベルは剥がしたまま)。
ちなみに、このE595はMyマシンではなく借り物です。
借り物のため、マシン紹介は割愛しますが、CPUがRyzen3、メモリは16GBです。

ちなみにE595取り付け時の状態はこんな感じで、システムボードとのスキマに十分余裕があります。
(このシステムボードも手持ちのジャンク部品です)

では、E595にWindows11(23H2)をインストールして、CrystalDiskInfoで確認です。
「AGI512GIMAI218」はSSDの型番通りです。
シリアルナンバーは、2.5インチ SATA版と同様、またしても3点一致!すばらしい!!
また、温度が40℃固定なのも同様でした。
シリアルナンバーは徹底して管理しているのに、温度表示はあまり重要と思っていないのでしょうか?
まぁ、メーカーそれぞれの考え方があるのでしょう。

それでは、CrystalDiskMarkです。
転送速度の公称値は、AGIのHPからデーターシートをダウンロードすると、容量ごとに記載されていました。
格安SSDでは公称値が不明確なものが多い中、なかなかキッチリしています。
そして、そのデータシートによると、512GB版の公称値は以下の通りです。
・Seq. Read : 3,050 MB/s
・Seq. Write : 2,200 MB/s
結果は・・・
Writeが公称値より若干下回っていますが、まぁこんなもんかな?
でも本音を言うと、もう少し期待していたのですが・・・
あと、この結果だけではDRAMキャッシュの効果がよくわかりませんが、いつもこれ以上のテストはしていないので割愛!

最後にrtl_nvme_flash_idでNANDの確認です。
データシートには「3D NAND」としか記載されていませんが、購入先の販売ページには「3D NAND(TLC)」の記載がありました。
結果は・・・
はい、確かにTLCでしたが、「YMTC 3dv2-64L(x1-9050) TLC」と、チョット古めのNANDですね。
CDMの結果がイマイチだったのは、これの影響でしょうか?

まとめ
AGI AI218 512GBは、注文から納品まで約4か月もかかった前代未聞の格安SSDでした。
フツー?の格安SSDメーカーであれば、在庫がなければ何でもいいからテキトーに仕入れたSSDに自社ラベルを貼って出荷しそうなもんですが・・・
シリアルナンバー管理の徹底ぶりを見ても、ある意味、誠実なメーカーなのかもしれませんね!?
肝心なSSDの性能についてですが、残念ながら今回のテストだけでは判断できませんし、ド素人の私には専門家のようなレビュー能力もありません。
しかし、パーツ構成を見ると、フツー?の格安SSDと比較して1ランク上のSSDのような気がしました(ド素人の個人的見解です)。
まぁ、いずれにしても両面実装タイプのため、取り付け可能なPCがかなり限定されてしまうところが難点ですね。
もし購入を検討される方は、事前に取り付け予定PCのM.2ソケット周りをよく確認することをおススメします!
(ただし、2024年7月現在、512GB版が販売されているのか?は不明です)
今回は以上です。
コメント