LIFEBOOK AH30/L CPU換装 ハイパースレッディング有効化

ページのアイキャッチ画像 LIFEBOOK AH30/L

富士通 LIFEBOOK AH30/Lは、私の所有物ではなく、家族が使用しているPCです。
以前の記録でメモリ増設を行いましたので、2回目の登場になります。

 以前の記録 → 富士通 LIFEBOOK AH30/L メモリ増設記録

今回のCPU換装は、CeleronからCore i5への換装で、CPUの選択さえ間違えなければ、簡単に完了するものと思っていましたが、なかなか手こずりました・・・

しかし、試行錯誤の末、なんとか解決できましたので、今後、誰かのお役に立てればと思い、記録しておきます。

このAH30/Lの型名は「FMVA30LB4」で、チップセットは「HM75 Express」です。
同じAH30/Lでも「FMVA30LB2」など、「HM70 Express」を使用している機種は、Core iシリーズへの換装は難しいようですので、ご注意ください。

AH30/L外観
スポンサーリンク

CPU換装の概要

先ず、今回の主役のCPUを紹介しておきます。
ともに、Ivy Bridge、FCPGA988ソケット、TDP:35Wです。

  • 交換前:Celeron 1005M 1.9GHz
  • 交換後:Core i5-3210M 2.5GHz

CeleronからCore i5への換装メリットの代表例としては、ハイパースレッディング(Hyper-Threading)化が真っ先に浮かびます。2コア2スレッド → 2コア4スレッドによる処理能力UPです。

今回の換装でも、もちろんそれを期待していましたが・・・、2コア4スレッドで動作しません・・・
どうも、BIOS側でハイパースレッディングが有効になっていないようなのですが、AH30/LのBIOS画面には有効/無効を設定する項目がありません。

これをネットで調べてみると、やはり同じような現象に見舞われ、相談している方がいましたが、解決に至らないまま、スレッドが途絶えています。

メーカー製PCなので、BIOS画面に隠しメニューがあるのでは?と考え、色々なショートカットキーを試してみましたが・・・、そんな簡単に見つけられる訳がありません。

しかし、半ば諦めかけた頃、ダメもとでやったことがヒットし、無事に2コア4スレッドで動作させることができました!

最初から知っていれば、たいした話ではありませんが、うまくいった瞬間には万歳して喜びました!

CPU換装作業(Celeron → Core i5)

一応、CPU換装の流れを記録しておきます。
換装作業自体には特筆するような内容はありませんので、お急ぎの方は、飛ばしてください。

先ずは交換前のBIOS画面です。
Celeron 1005M、8GBメモリ。
BIOSバージョン1.24は現時点での最新版のようです。

BIOS画面(換装前)

次にCPU-Zの画面です。
Cores:2 Threads:2 となっています。

CPU-Z画面①(換装前)

内蔵グラフィックスは、HD Graphics です。

CPU-Z画面②(換装前)
スポンサーリンク

それでは、換装作業です。

バッテリーを取り外してから、底のカバーを外します。
ネジは6個(〇)です。

本体底カバー

カバーを外しました。

底カバー開状態

ファンの電源コネクタ(□)とネジ3個(〇)を外します。

CPUファン取付ネジ位置

CPU側 ヒートシンクを押さえているSUS板のネジ4個(〇)を緩めます。
ネジは抜け止めが付いているのでSUS板からは外れません。
数字の刻印は締め付ける際の順番です。

CPUヒートシンク取付ネジ位置

ヒートシンクをCPUから浮かせた後、矢印方向に全体をずらすと外れます。

CPUクーラー取り外し

グリスは塗ったと言うより、シート状のものを貼り付けたような感じで、まだ少し粘度があります。
ファン内は、埃が塊になっていました・・・

CPUクーラー取り外し状態

Celeronを取り外す前にダイのグリスを除去して、無水アルコールでふき取りました。
ヒートシンクも同様にグリス除去&無水アルコールでふき取り。
CPUを取り外す時は、黒いネジを反時計周りに180度回すとソケットがスライドし、CPUがフリー状態になります。

CPU清掃&取り外し
スポンサーリンク

Celeron 1005MとCore i5-3210Mを並べてみました。
左がCeleron、右がCore i5です。

新旧CPU比較

次に取り付け作業です。
Core-i5をソケットに装着し、黒いネジを閉めて固定しました。
ダイは無水アルコールで念入りに清掃・脱脂し、ファンも清掃しました!

新CPU&ファン清掃後

CPUグリスを塗ります。
塗り方は人それぞれですが、私はヘラで塗り広げる派です。
使用したグリスは、説明不要の熊グリス(の安いやつ)です。

CPUグリス塗布

CPUファンを取り付けました。
電源コネクタの接続を忘れてはいけません。
後はカバーを閉めて完了です!

新CPU&クーラー取付完了

電源投入! しかし論理プロセッサー数が・・・

換装後、最初の電源投入時は、いつもより長めのPOSTの後、自動で再起動がかかりました。

このいつもと違う動きは、ハードウェアを交換するとよくあることなので、決して焦ったりはしません(汗)。
さらに1回目のWindows10の起動では、交換したハードウェアをまともに認識しないことも多々ありますので、勝負は2回目の起動でしょう。

起動1回目のBIOS画面です。
Core i5-3210Mを認識しています!

BIOS画面(換装後)

続いて,Windows10を起動して確認します。
CPUは認識していますが、4スレッドにはなっていません。
内蔵Graphicsも認識できていません。
しかし、まだ1回目の起動なので、想定の範囲内です。

Win10システム&デバイスマネージャー画面

念のため、CPU-Zでも確認しましたが、状態は同じです。
Cores:2 Threads:2 となっています。
内蔵Graphicsの表示もおかしいです。

CPU-Z画面(換装後)

そして、再起動して2回目です。
Graphicsは認識されましたが、CPUは相変わらず2個しかありません・・・
CPU-Z、HWiNFOなどでも確認しましたが、やはりCPUは2スレッドしか動作していません。
おかしい・・・

デバイスマネージャー画面(再起動後)

そして、ここからが泥沼でした・・・
色々確認しながら数回再起動しましたが、状況は変わらず。
ネットで調べても、なかなか的確な答えは見つかりません。

もしかして、この機種はハイパースレッディングに対応していない?とも考えましたが、上位機種では、Core i CPUを搭載しているようなので、そんなことはないと信じて調べ続けました。

そして、ネット検索の結果、共通して書かれていることは、4スレッドで動作させるための設定(ハイパースレッディングの有効化)は、BIOS側で行うということでした。
つまり、AH30/Lは、この設定が「無効」の状態になっていると考えました。

下の写真はThinkPad T440のBIOS画面ですが、一般的にはこのようにハイパースレッディングの有効/無効の設定があります。
 Intel(R) Hyper-Threading Technology [Enabled/Disabled」

T440 BIOS画面

<参考>DELL PRECISIONのBIOS画面にも「Hyper-Threading」の設定があります。
    → DELL T3500~Xeon X5690にCPU換装した記録

ところが、AH30/LのBIOS画面には、この設定がありません・・・
と言うか、全体的に細かい設定項目がほとんどありません。
やはりこれがメーカー製PCなのでしょう。
わざと、ユーザーには見えなくしているものと思います。

スポンサーリンク

ハイパースレッディング 有効化 成功!!

ほぼ半日が経過し、もう今日は諦めようか・・・と思い始めた時、大昔(PCがPC/AT互換機とかDOS/V機と呼ばれて人気が出始めたころ、MS Windows 3.1時代)、SCSIなどISAバスの拡張カードを増設する際、設定が上手くいかないと必ず実施していた「儀式」を思い出しました。

Load Setup Defaults」です!

Load Setup Defaults

BIOSの「Exit」画面に必ず存在する項目で、その名の通り、設定をデフォルトに戻すものです。

「Exit」画面で『Load Setup Defaults』を選択すると、確認ダイアログが出ますので、『Yes』を選択。
その後、『Exit Saving Changes』で再起動します。

Setup Confirmation

すると、再起動後・・・、4スレッドになりました!!
ばんざーーーい!!!

デバイスマネージャー&CPU-Z画面(正常認識時)

素人ながら、この結果を考察すると、AH30/LのBIOSは、Core i5-3210Mがハイパースレッディング対応のCPUであることを認識しており、『Load Setup Defaults』を実行したことで、「Intel(R) Hyper-Threading Technology」の設定を『Disabled』から『Enabled』に自動的に変更したのではないかと考えます。
たぶんです・・・、自信はありません・・・

CINEBENCH R15 結果

では、最後にCINEBENCH R15の結果です。

CPU交換前後に加えて、i5-3210M 2スレッド動作時の結果もあわせて記録しておきます。
CPUの値を見ると、2スレッドと4スレッドの差は歴然でした!

CINEBENCH R15 結果

以上、悩んだわりには解決方法はとてもシンプルで、偉そうにできる内容ではありませんが、意外と思いつきにくい方法だと思います。

この世代の富士通製PCで同様の事象が発生した際、この記録が参考になれば幸いです。

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!

↓ つづきはこちら!(SSD換装) ↓
LIFEBOOK AH30/L SSD換装 Crucial BX500

コメント

  1. きんたろ より:

    はじめまして。
    全く同じ状況でしたのでとても助かりました。
    ありがとうございます!

タイトルとURLをコピーしました