前回のSUNEAST SE800の記事で予告した通り、今回はそれと同時に購入した「SE800 Lite 256GB」の試用記録です。
個人的には、SE800 LiteというSSDについて、今までまったく気にしていなかった(失礼ながら存在にも気付いていなかった)ため、予備知識は皆無で、そもそもいつ頃発売されたのかも知りません。
また、名称が「Lite」となっていますが、価格は無印のSE800よりも割高で、Liteの位置付けもよくわかりません。
そんなテキトーな感じでの購入ですが、とりあえず、いつもの流れで確認していきましょう!
SE800 Lite 256GB パッケージ確認
まずは箱の表側です。
白黒の素っ気ない業務用パッケージのようなデザインです。

裏側です。
こちらも白黒ですが、基本的なデザインはSE900と同じで、「対応OS」や「MTBF」、「TBW」の記載が省略されています。
筐体の材質はSE900、SE800(無印)と同じくプラスチックと記載されています。
SE800(無印)はシリアルナンバーが印刷されたシールが貼ってありましたが、こちらにはありません。
Made in Chinaです。

箱の中身です。
SSD本体と読まない紙が1枚入っています。
SSDを保護する黒いプラスチック製緩衝材?はSE900と同じものです。
SE800の「Lite」ですが、パッケージはSE800(無印)ではなく、SE900と共通点が多い感じです。

読まない紙はこんな感じです。
左上には256GB、512GB、1TBの3種類のSE800 Liteの画像が印刷されていますので、この紙はSE800 Lite専用なのでしょう。

裏側には、取扱説明の他、「保証書」が印刷されていました。
箱の裏面にも「保証書」が印刷されてましたが・・・

SSD本体の外観です。
裏側のラベルはSE800(無印)とほぼ同じデザインです。
ボカシていますが、ここにシリアルナンバーが印刷されています。

SE800(無印)と並べてみるとこんな感じです。
なぜか、ラベルの貼り付け方向が逆になっています。
そしてプラスチック製筐体のフタの形状が異なっています。
嫌な予感がします・・・

SE900の画像と並べてみると・・・嫌な予感的中です。
筐体のフタの形状が同じです。
つまり、このフタを開けるためには筐体の破壊をともなう、いわば殻割りが必要です。
覚悟を決めて、殻割りを決行します!!

ここまでは何とか破壊なしで開きましたが、ここからが破壊になります。
気合いを入れて、エイッ!・・・イタッ!!
指から出血しました・・・

という訳で、殻割り中止しました(笑)
今回はスキマからの画像でご容赦ください。
コントローラーは、「Maxio MAS1102B-B1C」のようです。
SE900と同じですね。

NANDの刻印はまったく読めませんが、表面に2個実装されています。
コントローラーとNANDの位置関係はSE900を含む、他のMAS1102B搭載機と同じです。
残念ながら裏側は見えないので、わかりません。
とりあえず、コントローラーがMaxioだということは判ったので、最後にjm_idで確認してみます。

SE800 Lite 256GB 動作確認
それでは気を取り直して動作確認です!
いつものThinkPad X240(i3)に装着しました。

BIOSでの認識は「SUNEAST SE800 Lite SSD 256GB」でした。

Windows10(21H2)をインストールして、CrystalDiskInfoです。
シリアルナンバー(「*」で隠しています)は本体ラベルのものと一致しています。
温度は微妙ですが、動いているようです。
「A9不良ブロック数」の生の値が「30006」となっていますが、同じMaxio MAS1102Bを搭載したHIKSEMI E100やSUNEAST SE900(256GB)も同じ値でした。
値の意味は理解できませんが、これが普通なのでしょう(都合よく解釈)。

つづいてCrystalDiskMarkです。
SE800 Liteの公称値は以下の通りです。
最大読取速度:550MB/s
最大書込速度:450MB/s
結果は・・・
公称値はクリアしていますが、SE800(無印)やSE900の結果と比較して優劣を付けれるような違いはなく、やはり「Lite」の位置付けがよくわかりません。
まぁ、CrystalDiskMarkの結果だけでは、わからなくて当然かもしれませんが・・・

CrystalDiskMark実行時の温度ログについては、振れ幅が1℃しかなく、感度は当てになりません。

最後に、jm_idでNANDの確認です。
分解を断念したので、しっかりと確認します!
結果、NANDは「Intel 144L QLC」と出ました!!
256GBに1024Gbチップなので、NANDは合計2個。
つまり確認できなかった基板裏側にNANDは実装されていないと思われます。
そして「From:Smart」の項目に表示されている「HIKVISION」の文字が気になりました。
SE900も同様に「HIKVISION」の文字がありましたが、改めて過去の記録を調べてみると・・・

なんと、HIKSEMI E100の結果とピッタリ一致しています!
モデル名より下の部分、ファームウェアからNANDの種類まですべて同じです。
う~ん、SUNEASTの中身は、HIKSEMI(=HIKVISION)だったのか・・・

まとめ
SE800(無印)とSE800 Liteを同時購入して色々と比較してみましたが、SE800 LiteはSE800(無印)の廉価版というより、SE900のQLC NAND版のような気がしました。
ただ、閲覧者さまからのコメントでSE900 512GBがQLCだったとの情報もありますので、そうとも断言できません
あるネット通販ショップでは、今回登場したSSD(256GB)の価格が以下のように設定されており、SE800 Liteが最も高価格です(2023/6/7現在)。
SE800(無印)<( HIKSEMI E100 < )SE900 < SE800 Lite
「Lite」というネーミングから考えると、一番安くてもよさそうですが・・・何だかよくわかりません。
SE800 Liteの存在価値は、どこにあるのだろうか・・・
それと、SE800 Liteの中身がHIKSEMI E100と同じだった件ですが、これについても閲覧者さまからのコメントでSUNEAST SE900 1TBがHIKSEMI(HIKVISION) E100 1TBと同じではないか?との情報をいただきました。
やはり、SUNEASTのSSDはHIKVISIONが供給元である可能性が高いですね!
あくまで、個人の勝手な想像ですが・・・
今回は以上です。
コメント
大変興味深い記事に感謝! 当方SE900 256GBを購入し、数ヶ月で故障。現在保証元に送って返答待ちです。同一商品の新品が帰ってくるのかな?と思いましたが、同商品の256GB版はどこも品切れ。SE800が代替品で帰ってきたらどうなんだろうと調べていてこちらに辿り着きました。普通に考えると、『旧版?廉価版?損じゃんか!』となりますが、そうとも言えないのでしょか。まぁいずれにしても、すぐに壊れそうなので、どんな使い道が残っているのか・・・ (リアクション不要です。コメント欄を汚してごめんなさい)
オサーンさま
コメントありがとうございます。
実は最近、SE900 1TB(記事にしたSSDです)が壊れました・・・
超低速ですが、時々読み出せる時があるので、保存データを少しずつ吸い出しているところです。
もうSE900は買いません!
返信ありがとうございます! 貴方様のも壊れましたか・・・ 導入当初は本当に軽快で、安く良い商品が買えたと某所でレビューまで書いちゃったぐらいです。 しかし数ヶ月でブルースクリーンが出始めて、1年と経たずに実用できないレベルに。 アマゾンでも同様のレビューが凄いことになってますね・・・ 保証で壊れるごとに交換してもらっても、その都度送料かかりますし、データも失われるし手間暇もかかるし・・・ 死蔵するしかありませんよw (本当にリアクション不要です! 他の記事も読ませて頂きました!感謝です!)
久しぶりに見たら、SUNEASTの評判がかなり悪化してますね。
故障多発は、YMTCのNAND搭載なのかなと想像してますが、いかがでしょう?
ランジェリー旬報さま
私のSE900ですが、ドライヤーの熱風を基板に当ててチップの表面温度を80℃ぐらいまで上げてやると読み取りできることがわかりましたので、その方法でとりあえず全データを救出しました(とっても時間がかかりました…)。
コントローラーか?NANDか?は、特定できていませんが、おそらくBGAはんだボール割れでしょう。
データ救出は完了しましたので、壊すこと覚悟で、コントローラー、NANDをリフローして復活するか?試してみます!
なるほど。それは試す価値がありそうですね。
部品ではなく、組み立ての問題ならば今後は改善される可能性は高そう。
ところで、同時期の激安SSDにIntel QLC採用品が多くあり、偽装品じゃない??と疑いの目を向けておりましたが、もしかして正真正銘本物なんじゃないかと思うようになりました。
IntelのNAND事業ってSK Hynixに売られてソリダイムという社名になり、Intel時代の在庫を一斉に安値で放出したんじゃないかと。Intel QLCはアタリだったのかもしれません。
ランジェリー旬報さま たしかに過去の記録を見返してもIntel QLCが多かった時期がありました。丁度、メーカー変更の過渡期なので、その可能性は十分ありますね!
その少し前には、
ColorfulとかドスパラのSSDで使用されているNANDが偽装品じゃないかと話題になり、Intelが自社SSD以外のNANDは全て正規のものではありません回答したとか・・・
Micronと表記されているNANDでも、実際は検査落ちのSpecTekでそのグレードが・・・
とかいろいろありました。
そんなわけで、激安SSDにIntel QLCというのが搭載されているのを見て、怪しいというのが第一印象でした。